リテラルの再確認

「 Perl リテラル (定数 !?) (0x07)」で確認した通り、リテラル とは「 直定数 」を意味します。「 リテラル = 直定数 」で「 コンスタント = 定数 」です。

Perl でのリテラル は次の様なものです。

# Perl



$char   = "a";     # char は変数 a は文字列リテラル

$int    = 1;       # int は変数 1 は整数リテラル

$string = "Hello"; # string は変数 Hello は文字列リテラル

リストリテラル (List literal)

リストリテラルは、プログラムコード内にリストデータを書いたものです。リストリテラルは、値を「 , (カンマ)」 で区切って並べ、「 ( ) 」で囲みます。

(1, 2, 3)             # 数値のリスト

("Foo", "Bar", "Baz") # 文字列のリスト

("Foo", 1.9)          # 文字列と数値のリスト

(1..5)                # 1 - 5 の 5 個の整数のリスト

("a".."z")            # a - z の 26 個の英文字のリスト

($foo, $bar)          # 変数 $foo と $bar の値のリスト

(0..$#array)          # 配列 @array の添え字リスト

()                    # 空のリスト

4 行目のリストにある「 .. 」は範囲演算子 (Range operator) という二項演算子で、「 (1, 2, 3, 4, 5) 」とした場合と同じリストを作ります。

同じく 5 行目のリストでは「 ("a", "b", "c", "d", (中略) "y", "z") 」とした場合と同じリストを作ります。

7 行目は、配列の最後の添え字 (インデクス) にアクセスする記法を使って、配列 @array の添え字リストを作っています。

マジカルインクリメント

Perl では、「 ("a" .. "z") 」の様に文字をインクリメントする機能を、「 マジカルインクリメント 」と呼ぶそうです。

範囲演算子がリストコンテキスト (リストの文脈) で使われた場合には、このマジカルインクリメントの能力が発動します。同じ範囲演算子をスカラコンテキストで使うと、値の 真偽 を返す様になるとのことです。

マジカルインクリメントは、例えば次の様に動作をします。ここではインクリメントに演算子「 ++ 」を使い、「 '' (シングルクォーテーション)」を使って数値も文字列として扱っています。

print ++($foo  = 'a'), "\n";    # b を表示

print ++($bar  = 'az'), "\n";   # ba を表示

print ++($baz  = 'z9'), "\n";   # aa0 を表示

print ++($qux  = 'z9'), "\n";   # aa0 を表示

print ++($quux = 'yzz'), "\n";  # zaa を表示

このマジカルな動作はインクリメントに限られていて、デクリメントには対応していません。もちろん、対象が数値であれば、通常通りデクリメントは可能です。

0x1d -> 0x1e へ

「 マジカルインクリメント 」。なんとも素敵な響きです。

「 インクリメント 」だけでも心躍る僕にとって、「マジカル」との組み合わせは、なんらかひとつの到達点を示している様に思えます。

「 Magical Increment 」と、アルファベットの字面も素晴らしい。それは愛でるに値すると言っても過言ではないでしょう。

「 リストリテラル 」もなかなか良い感じです。やや端正な雰囲気があります。愛でるというよりは鑑賞する。眺めるといった感じでしょうか。

「リストリテラル」は、「アストラル」の類型に属するものだと推測出来ます。少なくとも「ランバラル」とは別の系統です。

参考情報は以下の書籍を中心に Wikipedia および各 Web サイト。それと詳しい先輩。

参考 :「Randal L. Schwartz, brian d foy, Tom Phoenix 共著 近藤 嘉雪　訳「初めての Perl 第 6 版」(オライリー・ジャパン発行 ISBN978-4-87311-567-2)」

次回 (0x1e) へ続く

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